【評価点について】

 7万枚以上に達する「富士倉庫資料」から価値の高い1万枚を選ぶにあたっては、アジアの近現代史などの専門家15人に「評価委員」を委嘱し、総合評価の高いものから採用する方式をとっています。この作業に約1年半の期間を要しました。

 各委員には、それぞれの価値判断をもとに、7万枚を超える写真すべてについて、歴史的に極めて貴重な「S」から、「A」「B」「C」「無印」の順の5段階で、評価をしていただきました。表示されている点数は、S=10点、A=5点、B=3点、C=1点、無印=0点で集計したものです。ちなみに、委員の少なくとも1人が「S」とした写真だけで、約2万4千枚に達しています。1万枚を選ぶために、少なくとも1人が最高レベルの価値があると判断した写真のなかから、さらに評価が集まったものを厳選する結果となりました。

 もとより、写真の価値については、百人百様の考え方があります。それぞれの関心の対象や専門分野などにより、写真の重要度の評価にも大きな差が出てきます。複数の委員が「S」とした写真を、別の複数の委員が「無印」としているものも多数ありました。点数は、あくまで選別作業のためのものであり、歴史的重要度を確定させたものではない点は、ご了承ください。

 

なお、評価委員は以下の通りです。(50音順、敬称略、肩書きは08年末現在)

赤澤史朗 (立命館大学法学部教授、近代日本政治史)

蘭 信三 (上智大学外国語学部教授、歴史社会学、満州開拓移民史)

有山輝雄 (東京経済大学コミュニケーション学部教授、メディア史)

飯野勝則 (佛教大学図書館専門員、図書館システム、台湾近現代史)

江田憲治 (京都大学大学院人間・環境学研究科教授、中国近現代史、満鉄労働史)

倉橋正直 (愛知県立大学外国語学部教授、中国近現代史)

槻木瑞生 (同朋大学名誉教授、中国近代社会史)

辻田文雄 (軍事評論家、軍事考古学、兵器・軍装の鑑定)

戸高一成 (大和ミュージアム館長、日本海軍史)

西澤泰彦 (名古屋大学大学院都市環境学専攻准教授、建築史)

西村成雄 (大阪大学名誉教授、放送大学教授、中国政治史)

早瀬晋三 (大阪市立大学大学院文学研究科教授、南方政策史、フィリピン史)

半藤一利 (作家、文藝春秋元編集長、昭和史)

山室信一 (京都大学人文科学研究所教授、法制思想連鎖史)

山本有造 (京都大学名誉教授、中部大学教授、社会経済史、日本植民地経済史)